Ukiyomokuhan Original
伝統木版画では古来よりそのデザインは絵師(デザイナー)によってなされてきましたが、 浮世木版オリジナルでは、浮世木版が開発した従来の方法とは全く異なった方法で 木版画用のデザインを行っています。 写真を基本として、その写真を忠実に木版画に置き換えるという作業によって 木版画化することにより、写真が持つ芸術性を何倍にも引き立たせる方法です。 従って、従来で言う絵師(デザイナー)によって作り出されるものではなく、 写真とデザインエンジニアによって作り出されています。 この新しいデザイン手法によって、顧客のニーズに応じた作品作りが可能となり、 デザイン作成の大幅なコストダウンが可能となりました。
彫師:関岡扇令 (せきおか せんれい)
1957年 東京生まれ。東京都荒川区在中。本名:関岡裕介。 代々摺師の家系に生まれたが、二代目扇令の父親の勧めにより、19才より彫師の道 に入り、大倉半兵衛に弟子入りし、7年の修行を積んだ。 38年ものキャリアを持つその高い技巧は、単に原画に忠実に彫るだけではなく、 原画の甘い線を補完した彫りもできる、創造性の高い技巧を有している。 この作品においては、海の波の状況が、師の技巧により美しく表現されている。 浮世絵といった古典的なデザインだけでなく、新版画や近代版画といった新しい デザインの彫り作業にも積極的にチャレンジしている。 また、後世の彫師育成の為、積極的に弟子を受け入れており、2013年10月、 三代目扇令として襲名された。
摺師:岡田 拓也 (おかだ たくや)
1983年生まれ。 茨城県常総市在中。 高校卒業後、京都伝統工芸大学校(現名称) にて、仏像彫刻を学び、 卒業後、渡邊木版にて摺師の修行をし、2012年に独立。 約8年のキャリアを持ち、摺師として高い技巧を有してきている。 渡邊木版は川瀬巴水に代表される新版画の版元であり、新版画に おいて用いられる多くのぼかし、かすれの技法を習得している。 伝統技法に加え、新しい技法にも積極的に取り組む新世代の 摺師である。 2017年には、NHKドラマ『眩(くらら)~北斎の娘~』にて、 北斎の神奈川沖浪裏の初摺を行う摺師役として実演の出演をした。