純和式の畳が浮世絵の額縁になりました
職人は150年以上の歴史のある、日本の伝統木版技術を継承する専門技能職です。
その技術を習得する為には、少なくとも5年の修行は必要と言われています。
現在においても、師匠の下で修業を数年重ねるということで、その技術が継承されています。
浮世絵をはじめ、高度な伝統木版画は、彫師、摺師という職人がいて、はじめて作成できるものなのです。
木版画の板を版木といいますが、硬くて経年変化の少ない、山桜の木が主に版木として使用されます。
彫師はこの版木を彫る専門職人です。絵の色が付く部分を凸になるように彫ってゆきます。
いかなるデザインに対しても、それがもしペンで書いた細い1本の線であっても、正確に彫ることができる
驚くべき彫りの技術を有しています。
また、精密な彫り作業は版木全面に対して行われるため、非常な忍耐力も持ち合わせています。
絵柄によって彫刻刀を使い分けて作業をしますが、版木が非常に硬いため、独特な彫り方によって
精密な彫りを実現しています。また、版木が硬いが故に彫刻刀の切れ味も頻繁に落ちてくるので、
彫刻刀を鋭利に研ぐ技術も基本的な技量として備えています。
単純に版木に絵具をつけて紙に摺っても、簡単には紙にきれいに色はつきません。
摺師は版木から色を紙(和紙)に摺って美しく転写する専門職人です。
摺師は、仕上り影響する、和紙の湿度、環境空気の湿度に対し、常に気を配っています。
また、正確な色を再現する為に、絵具の配合、濃度(水分量)にも細心の注意を払っています。
作業は、版木に付けた絵具をブラシで掃くようにして伸ばし、バレンを使って和紙に摺ります。
バレンの種類、使い方によって、かすれを表現することもでき、その習得には多くの年月を要します。
極めて精度の高い重ね摺りを行うので、見当合わせの技術も基本的な技量として備えています。