純和式の畳が浮世絵の額縁になりました
小さいながらも、浮世絵から続く伝統の技法に従い、彫師、摺師の分業制で作られています。 彫りは、浮世絵と同等の極めて繊細なレベルまで彫り上げられております。
摺りは、浮世絵と同様な多色摺りを行い、10回~15回の重ね摺りによって仕上げております。
高度な伝統技法を有した職人による、全くの妥協を許さない完全手作りの伝統木版画です。
また和紙は、木版画の美しさを最大限に引き出すために、手漉きの高級越前和 紙「生漉奉書」 を使用しています。
デザイン: 浮世木版オリジナル 彫師: 関岡 扇令 摺師: 岡田 拓也
立てる、吊るす、送る、という3つの機能を合わせ持つ、全く新しい紙フレームを装着した カードサイズの木版画です 。三位一体型の仕様から「トリニスタイル」と命名し、 1度で3回楽しめる新しいスタイルの木版画として開発した新商品です。
フレームは木製の角型です。 マットはそれぞれの作品に応じて、見栄えのする色を採用しております。
また、作品に応じたサイズにマットはカッティングし、見栄えのする斜めカットを施しています。
全面保護用のアクリル板も同梱してありますが、木版画の質感を楽しんで頂く為に、出荷時には あえて最前面には配置せずに出荷致します。
富士山2020
1964年東京オリンピック記録映画
東京で56年ぶりのオリンピックが開催 されることを記念して、新しい木版画を作りました。 それは、選手の演技を描写したり、オリンピックの ロゴを模したりするような直接的なものではなく、 日本の風景画からオリンピックを連想させるような、 間接的なアート作品です。 日本の風景画としては、代表格の富士山を用いました。 |
そのワンシーン (約9:33~)
前回1964年の東京オリンピック記録映画のワンシーン にその恰好となるデザインがあります。(左図) 富士山の裾野を走る聖火ランナー、このシーンを トリミングして作品のアウトラインとしました。 また木版画の細部は、川瀬巴水の"舟津の秋"の描写 を参考にしました。 | ||||
(アウトライン) トリミング画 |
川瀬巴水「舟津の秋」 (木版画細部) |
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しかし、この基礎デザインには大きな問題がありました。
富士の裾野の煙が、聖火ランナーの煙には見えず、蒸気機関車(SL)の煙に見えてしまうという問題でした。
その問題が生じないようなデザイン変更を行って、原画へと改善してゆきました。
ガードレール版 |
聖火ランナーが走っているように 見せる為、ガードレールを追加 してみました。 しかし、これでまだSLに見える ことがあり失敗でした。 ①:ガードレール部分 ②:小さな森を追加 |
観客シルエット版 |
ガードレールの代わりに、観客の シルエットを並べてみました。 また、国旗を振るシルエットも 加えてみました。さらに背景の小さな 森を削除してバランスを整えました。 この改善により、SLに見える問題は ほぼ解決しました。 ③:観客のシルエット ④:国旗を追加 ⑤②:小さな森を削除 |
原画 |
木版画として、各色板のデザインを 明確にして、原画を完成させました。 特に富士山の山肌には板と板との 合成色により、板の数より多くの色を 表現できるようにしてあります。 (詳しくは「木版画ができるまで」参照) タイトルは、縦書きを木版画にして、 横書きは小型版にスタンプ対応と しました。 ⑥:横書きタイトル(スタンプ対応) ⑦:縦書きタイトル(木版画) |
輪郭線や背景は写真原図-1を元に、
円盤の色などは原図写真-2を元に
デザイン画を作りました。
そのデザインを元に、伝統的技法に基づ
き、木版画化を行いました。